04年9月1日@大阪ドーム2004年9月1日(水) この日、大阪は朝から蒸し暑くてジメジメとしていた。 モリユの心も、朝から湿り気味だった。 というのも、実は今日のチケットは一昨日にひょっこり手に入ったため、 通常通りの出勤であった。 通常通りに働いていては、今夜の試合に間に合わない。 (優先順位が少し違っているように感じても、気にしないように。) ということで、あぁ、オイラなんて悪いOLさんなのかしら・・・ ホワイトボードには「外回り→直帰」と書いて、事務所を4時に出た。 (コラ!!) モリユは営業レディでもあるので、ちっとも不自然なことではない。 そのため、上司にそうやって申し出ると、 「あ、そうなんだ。お疲れさん!いってらっしゃ~い」 ・・・と、快く送りだして頂いたのだった。 良心の呵責に耐えながら、大阪ドームに向った。 鞄には、営業資料ではなく、双眼鏡とデジカメが入っている。 (良心が呵責しているとは思えない持ち物) 明日は余分に働くからさ・・・←当たり前。 なかなか取れないチケットの広告を、近所の新聞配達所の小さいビラで発見した ラッキーギャル・ヤマちゃんとは、高校時代からのGキチ友達である。 この日、彼女とはドーム前で待ち合わせをしていた。 待ち合わせ時間より早く到着した不良OLモリユは、まずは買い物に走った。 ドーム内のショップは、身動きが取れない程の混雑具合だった。 レジ前も長蛇の列。 ・・・さすが巨人ファン、金持ちが多い。日本一の球団を応援するだけのことはある。 (出たGファン贔屓。今年も快調に誉め称える。) それにしてもスゴイ混雑だったので、一度外に出てみた。 やはりあった、特設屋台での限定グッズ販売。 勝手知ったるナントヤラである。(意味不明) そこで、このページの上↑にもあるが、記念メガホン630円を購入。 このメガホンで6つ目になる。 猫の手どころか、タコの足を借りても全てのメガホンを打ち鳴らすことはできない。 なぜにこんなにもメガホンを買ってしまうのだろう、人間モリユ。手は2本しかない。 さて、約束の時間になったので、ヤマちゃんと合流。 座席は3塁側、かなり上段だったが、試合全体を見渡せるというので、 モリユはその席がかなり気に入った。 バッターボックスの選手の立ち位置や背の高さと、 キャッチャーミットに入ってくるボールの位置関係がよく見えて、 ストライクなのかボールなのかもよく分かる。(ナニモノやねんな) 客席は、ほとんどGキチで埋まっていた。 355度オレンジ一色で、あとの5度がベイキチ(横浜ファン)だった。 ちなみに、モリユの隣に座った小学校低学年の男の子もベイキチだった。 お母さんと一緒に観戦に来てたようだが、お母さんはどうやらGキチのようだった。 息子がベイのメガホンを打ち鳴らして応援しようとすると、 「もう、まわりの人はみんな巨人ファンでしょ!そんなん振り回さんといて!」 と、ちょっと叱り気味にたしなめていた。(何だか可哀相、息子・・・) 間もなくプレイボール。 このオーロラビジョンに映りたかったのだが、結局この日も映されることはなかった。 試合前に恒例となっている客席へのプレゼントがあった。 モリユらが座っているところは、あまりに高すぎて(場所が)、 とてもじゃないけど、あの等身大パチンコ飛ばしでは届かないだろう。 そうそう、この日の始球式は「張本勲」だった。 すっかり初老だった。 ・・・モリユやヤマちゃんも年を感じずにはいられなかった。 ハタチだけど。(ツッコミ拒否) お弁当を食べ終わり、我々はモリユ持参の双眼鏡で交互に選手チェック。 ヨシノブと上原が見えた。 「お帰りーーー、銅メダルおめでとうーー!!」 と叫びながら(やかましい)、球場に迎え入れた。 やはり2人とも、アテネ焼けでかなり黒かった。なんだかワイルドだぜ・・・ 試合は、ほとんど投手戦だった。 巨人先発は、先ほども書いたが、アテネ焼けの上原。横浜は土肥。 どちらも力投で、入る点数といえばソロ・ホームランばかり。 残塁も少なく、試合はトントンと進んでゆき、8時には8回裏になっていた。 とはいえ、ホームランを打たれても、とくに調子を崩す様子もなく、 上原は結局、代打が入ることで交替となった。 すでに1点勝ち越されていたので、負けがついてしまうのだが、 ベンチに座って代打を見守る上原は、かなり疲れているように見えた。 灼熱地獄のアテネから戻ったばかりだし、日焼けもしてるし(日焼けは関係ナイ)、 銅メダルだし(いやいや、立派なモンやろ)、疲れが早く出ても仕方がないのかも知れない。 1点勝ち越されたまま、シコースキーが登場した。 マウンドでの右腕グルグル回しのパフォーマンスを実際に見ることができて 何だか嬉しかった。みんな嬉しかったようで、グルグルを見たGファンから 笑いと共に拍手が起こった。おもしろいストッパーである。 さらに面白かったのは、イニングが終わると、 シコースキーはやはり誰よりも素早くベンチに戻っていった。 「全速力」という言葉がぴったりである。 あんなに一生懸命走る大人を見るのは久々な気もした。 ワタシもヤマちゃんも、そんな一生懸命なシコースキーを、 惜しみない拍手と笑いで見送った。(って、ナゼ笑うのよ) さて、いよいよ9回裏。 わずか1点差なのだが、この日はクリンナップが打ってなかったので、 ヤマちゃんと「敗色濃厚やな・・・」と密かに話していた。 しかし、今年の我々の合い言葉は「ネバーギブアップ」である。 なぜなら、今回のチケットも諦めきれずに2人で粘り続けたことが 運のツキを呼び寄せたことだし。 ってことで、負けるかもな~なんて言いながらも、 なんだか楽天的な気分で9回を見守っていた。 ところで、隣に座っていた小学生は、勝っているにも関わらず、 なんだか表情は暗い。 そのうち、彼は話し始めた。 「あ~あ、今日はもし勝っても、横浜は弱なったもんな。佐々木もおれへんし」 ・・・ボヤキが始まった。 これってベイキチの特質なのだろうか? モリユの直属の上司・もうすぐ定年も、熱狂的横浜ファンである。 大阪での営業の仕事には差し支えるため、普段は身を潜めている。 その上司も、得意技は「ボヤキ」である。 たとえ優勢でも、何かと暗所を見つけては、そこについて深く語ろうとする。 暗い人たちである。(怒られる) 取り敢えずモリユは「大丈夫やって、元気出せよ。巨人も抑えおらんって」と、 気の毒なボヤキ少年に同調するように語りかけた。こっちまで暗くなるじゃないのさ。 そうこうするうちに、巨人のチャンスが広がっていった。 ローズが打ち同点、小久保も打ち、ヨシノブが敬遠、ペタちゃんゲッツー(コラ!!)、 ニ岡敬遠・・・代打で元木が出てきた。スタンドは大盛り上がりである。 その客席のテンションに答えて、粘りまくった元木はフォアボールを選んだ。 満塁になってしまった。 代打・江藤が出てきた。 モリユは、フォアボール選んでくれたらそれでエエ!!という 消極的な意見だったのだが、江藤はやってくれた。 見事にレフトフェンスいっぱいまでボールを運んで、サヨナラゲームとなった。 ・・・しかし、実はモリユとヤマちゃんは、この打球の行方は ちょうど席からは死角となっていたために分からなかった。 ベンチからG選手が飛び出してきたのを見て、勝利を認識したのだった。 ということで、1塁側のファンから一呼吸遅れて大盛り上がりとなった。 本日のヒーロー、江藤。 いやはや、非常に気持ちの良いサヨナラ勝ち!! ありがとう江藤、やっぱりワタシらは諦めないぞ! そしてゴメンよ、隣の少年。 また家に帰ってぼやいてちょうだい。 おわり |